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【50項目講座 第20回】日本語教師の資質・能力|3つの役割・養成→初任→中堅・知識・技能・態度をやさしく解説

50項目講座 第20回 日本語教師の資質・能力
日本語教師って、日本語が話せれば誰でもできると思っていたけど、試験ではどんな力が求められているの?
HARU
HARU
まずは結論

この項目では、文化審議会の報告が示した日本語教育人材の3つの役割と、日本語教師の養成・初任・中堅という段階、そして資質・能力を整理する知識・技能・態度の3つの観点を押さえるのが基本。

50項目講座の第20回からは、「言語と教育」の区分に入ります。

最初の項目は「日本語教師の資質・能力」です。

日本語を教える人には、どんな役割があり、どんな力が求められるのかを、国の報告にそって整理します。

LULU
LULU
日本語が話せることと、日本語を教えられることは別の力です。この項目は、これから目指す仕事の全体像をつかむ回でもあります。

動画で学ぶ「日本語教師の資質・能力」(約3分)

この回の要点を、LULUとHARUの会話で約3分の動画にまとめました。

通勤中や家事の合間に、耳で聞くだけでも復習できます。

最後の確認クイズ2問で、覚えたかどうかを試してみてください。

この項目で求められること

文部科学省のコアカリキュラムでは、この項目の到達目標を「日本語教育人材の役割・段階・活動分野など、キャリアパス及び求められる資質・能力について理解している」としています。

ポイントは、役割・段階・活動分野という3つの切り口で日本語教育人材を整理することと、それぞれにどんな資質・能力が求められるかを知ることです。

ポイント① 日本語教育人材の3つの役割

文化審議会国語分科会は、2018年3月に「日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)」をまとめ、2019年3月に改定版を出しました。

この報告では、日本語教育に関わる人を日本語教育人材と呼び、役割によって3つに分けています。

役割 内容
日本語教師 学習者に直接日本語を指導する
日本語教育コーディネーター 日本語教育のプログラムを作り、関係者をつなぐ(日本語教育機関の主任教員、地域日本語教育コーディネーターなど)
日本語学習支援者 日本語教師などと協力して、対話などを通して学習者の日本語学習を支える(地域のボランティアなど)
教える人だけじゃなく、全体をまとめる人や、支える人も「日本語教育人材」なんだね。
HARU
HARU

ポイント② 日本語教師の段階と活動分野

養成・初任・中堅の3つの段階

報告では、日本語教師の成長を3つの段階に分けています。

段階 イメージ
養成 日本語教師になるために、養成課程などで学んでいる段階
初任 養成を終えて、日本語教師として働き始めたばかりの段階
中堅 一定の経験を積み、ほかの教師を支える役割も担う段階

この講座で学んでいる「必須の教育内容」50項目は、養成の段階で身につける内容として示されたものです。

6つの活動分野

改定版の報告では、日本語教師が活動する分野として、次の6つが示されています。

  • 生活者としての外国人
  • 留学生
  • 児童生徒等
  • 就労者
  • 難民等
  • 海外に赴く日本語教師

同じ日本語教師でも、どの分野で教えるかによって、求められる知識や教え方は変わります。

LULU
LULU
「役割は3つ、段階は3つ、活動分野は6つ」と数字で覚えておくと整理しやすいです。段階の順番は「養成→初任→中堅」です。

ポイント③ 求められる資質・能力

知識・技能・態度の3つの観点

報告では、それぞれの役割や段階に求められる資質・能力を、知識・技能・態度の3つの観点で示しています。

観点 例
知識 日本語の構造、言語習得、学習者の背景、日本語教育の制度などについての知識
技能 授業を計画し、教材を選び、実際に教え、評価する力
態度 学習者の言語や文化を尊重する、学び続けようとする、ほかの人と協力する姿勢

知識があるだけではなく、それを授業で生かす技能と、学習者に向き合う態度がそろって、はじめて日本語教師の力になると考えます。

登録日本語教員の制度

2024年4月に施行された日本語教育機関認定法により、国家資格の「登録日本語教員」ができました。

日本語教員試験に合格し、実践研修を修了すると、登録日本語教員として登録できます。

日本語教員試験は、この50項目をふまえて出題されます。

くわしい流れは、登録日本語教員になるには?の記事でまとめています。

LULU
LULU
資格を取ったら終わりではなく、初任から中堅へと学び続けることが前提になっています。教える仕事は、教える側もずっと学ぶ仕事なのだと感じます。

学習者はここでつまずく

学習者の目的と、教える内容が合っていない
工場で働く学習者に、進学向けの文法中心の授業をしても、仕事の場面ではなかなか役に立ちません。
学習者は「勉強しているのに職場で話せない」と感じ、やる気をなくしてしまうことがあります。
同じ日本語教育でも、活動分野によって必要な内容がちがうためです。
教えるときのポイント:最初に、学習者がどの分野で、何のために日本語を使うのかを確かめましょう。目的に合わせて、扱う場面や語彙を選ぶことが大切です。

確認クイズ(5問)

答えを考えてから、「答えを見る」を押してください。

Q1. 文化審議会の報告が示した日本語教育人材の3つの役割に、含まれないものはどれ?

① 日本語教師 ② 日本語教育コーディネーター ③ 日本語学習支援者 ④ 日本語能力試験の審査員

答えを見る

正解:④ 日本語能力試験の審査員
3つの役割は、日本語教師・日本語教育コーディネーター・日本語学習支援者です。

Q2. 報告が示した日本語教師の段階として、正しい順番はどれ?

① 初任 → 養成 → 中堅 ② 養成 → 初任 → 中堅 ③ 養成 → 中堅 → 初任 ④ 中堅 → 初任 → 養成

答えを見る

正解:② 養成 → 初任 → 中堅
「必須の教育内容」50項目は、養成の段階の内容です。

Q3. 報告で、日本語教育人材に求められる資質・能力を示すときに使われた3つの観点はどれ?

① 聞く・話す・書く ② 知識・技能・態度 ③ 計画・実行・評価 ④ 統合・同化・分離

答えを見る

正解:② 知識・技能・態度
役割や段階ごとに、この3つの観点で資質・能力が示されています。

Q4. 日本語教師などと協力し、対話などを通して学習者の日本語学習を支える役割はどれ?

① 日本語学習支援者 ② 日本語教育コーディネーター ③ 主任教員 ④ 登録日本語教員

答えを見る

正解:① 日本語学習支援者
地域の日本語教室のボランティアなどが、この役割を担っています。

Q5. 2024年4月に施行され、登録日本語教員の制度を定めた法律はどれ?

① 日本語教育の推進に関する法律 ② 日本語教育機関認定法 ③ 入管法 ④ 学校教育法

答えを見る

正解:② 日本語教育機関認定法
2019年に施行された日本語教育の推進に関する法律と、区別して覚えておきましょう。

まとめ

50項目講座を案内するLULU
第20回「日本語教師の資質・能力」のポイント
  • 日本語教育人材の3つの役割:日本語教師・日本語教育コーディネーター・日本語学習支援者
  • 日本語教師の段階:養成 → 初任 → 中堅
  • 活動分野は6つ(生活者・留学生・児童生徒等・就労者・難民等・海外)
  • 資質・能力は知識・技能・態度の3つの観点で示される
  • 2024年4月の日本語教育機関認定法で登録日本語教員の制度ができた

第20回では、日本語教育に関わる人の役割と段階、求められる資質・能力を学びました。

次回の第21回「日本語教育プログラムの理解と実践」です。

講座の全体は、50項目講座の目次から確認できます。

制度の流れは、第2回「日本の在留外国人施策」とあわせて確認しておきましょう。

LULU
LULU
役割・段階・活動分野を数字で整理すれば、この項目は覚えやすくなります。一つずつ積み上げていきましょう。

※到達目標は、文部科学省「登録日本語教員 実践研修・養成課程コアカリキュラム」の必須の教育内容から引用しています。日本語教育人材の役割・段階・活動分野と資質・能力は、文化審議会国語分科会「日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)」(2018年3月、改定版2019年3月)にもとづいてまとめています。

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