日本語教員試験は「基礎試験(100問)」と「応用試験(読解60問・聴解50問)」の2つ。日本語を話す力ではなく、日本語を教えるための知識と、それを授業で使う力が問われる試験。
日本語教員試験は、登録日本語教員になるために合格が必要な国家試験です。
「日本人なら簡単そう」と思われがちですが、実際は日本語のしくみや教え方、学習者の心理まで、幅広い知識が問われます。
動画で学ぶ「日本語教員試験とは」(約4分)
この記事の要点を、LULUとHARUの会話で約4分の動画にまとめました。
文章を読む前に、まず全体の流れをつかみたい方にもおすすめです。
通勤中や家事の合間に、耳で聞くだけでも内容をおさらいできます。
日本語教員試験とは?
日本語教員試験は、2024年4月に施行された「日本語教育機関認定法」にもとづいて、文部科学大臣が行う国家試験です。
日本語教育を行うために必要な知識と技能を持っているかどうかを確かめるための試験で、年に1回行われます。
- 実施するのは文部科学大臣
- 受験資格は年齢・学歴・国籍とも不問
- 令和8年度(2026年度)の試験日は2026年11月8日(日)
- 出願は「日本語教員試験システム」からオンラインで行う
登録日本語教員になるまでの全体の流れや費用は、登録日本語教員になるには?の記事でくわしくまとめています。
試験の全体像(時間・問題数・合格基準)
試験は「基礎試験」と「応用試験」の2つに分かれています。
| 基礎試験 | 応用試験 | |
|---|---|---|
| 試験時間 | 120分 | 読解100分+聴解50分程度(間に休憩) |
| 問題数 | 100問 | 110問(読解60問・聴解50問) |
| 出題形式 | 選択式(1問1点) | 選択式(1問1点) |
| 合格基準 | 5区分それぞれ6割程度+総合8割程度 | 総合6割程度 |
| 測るもの | 日本語教育の基礎的な知識・技能 | 知識を授業で使う問題解決の力 |
※合格基準は、年度ごとの難易度の差などで調整されることがあります。
注意したいのは、基礎試験が不合格だと、応用試験は採点されないことです。
まずは基礎試験で合格基準を超えることが、合格への第一歩になります。
基礎試験の5つの区分と出題割合
基礎試験は、文部科学省が定めた「必須の教育内容」(50項目)の範囲から出題されます。
この50項目は、次の5つの区分に分けられています。

| 区分 | 主な内容 | 出題割合の目安 |
|---|---|---|
| 社会・文化・地域 | 日本の在留外国人施策、多文化共生、日本語教育の歴史、日本語の試験など | 約1〜2割 |
| 言語と社会 | 社会言語学、敬語などの待遇表現、コミュニケーションの方略など | 約1割 |
| 言語と心理 | 言語の習得のしくみ、学習の方法、異文化への適応など | 約1割 |
| 言語と教育 | 教授法、コースデザイン、教材、評価法、授業計画、ICTと著作権など | 約3〜4割 |
| 言語 | 日本語の音声・文字・語彙・文法・意味、対照言語学など | 約3割 |
※出題割合は、文部科学省「令和7年度日本語教員試験の出題内容及びサンプル問題」に示された目安です。
表のとおり、「言語と教育」と「言語」の2つで、全体の6〜7割を占めています。
勉強時間の多くは、この2つに使うことになります。
「言語と教育」で問われること
日本語の授業をどう組み立て、どう教え、どう評価するかに関する知識です。
教授法の種類やコースの設計、教材の選び方、テストの作り方など、日本語教師の仕事そのものに直結する内容が多く出題されます。
「言語」で問われること
日本語そのものを、教える立場から分析する知識です。
たとえば、発音やアクセントのしくみ、ひらがな・カタカナ・漢字の表記、文法の体系、言葉の意味の違いなどが問われます。
残りの3区分も油断は禁物
「社会・文化・地域」「言語と社会」「言語と心理」は、それぞれ1〜2割ほどと出題数は多くありません。
ただ、どの区分も6割程度が必要なので、出題数が少ない区分を後回しにしすぎると、そこで不合格になるおそれがあります。
応用試験の読解・聴解で問われること
応用試験は、基礎試験で問われる知識を、実際の授業でどう使うかを確かめる試験です。
1つの問題に複数の区分の知識が関わる「横断的な」問題になっているので、区分ごとの出題割合は示されていません。
聴解(50問・約50分)
聴解では、日本語学習者の話す声や、教室での先生と学習者のやりとりなどの音声を聞いて答えます。
文部科学省が公開しているサンプル問題では、次のような問題が出ています。
- 学習者の発音を聞いて、アクセントなどがどうなっているかを選ぶ
- 教室での先生と学習者のやりとりを聞いて、使われている教え方や学習項目を答える
- 授業や教材の音声を聞いて、改善したほうがよい点を考える
文字で読むだけでは身につきにくい分野なので、早めに音声を使った対策を始めておくと安心です。
読解(60問・100分)
読解では、授業の計画や教材、教室での会話の記録などを読んで答えます。
たとえば、ロールプレイの授業の流れを読んで「この活動の問題点はどこか」を考えるなど、教育の現場に近い問題が中心です。
知識をそのまま答えるのではなく、場面に合わせて考える力が問われます。
基礎試験が免除になる人もいる
文部科学大臣の登録を受けた「登録日本語教員養成機関」で養成課程を修了した人は、基礎試験が免除になり、応用試験だけを受けます。
また、すでに日本語教師として働いている人などには「経過措置」があり、試験の一部または全部が免除される場合があります。
- 両方を受ける場合の受験料:18,900円
- 基礎試験が免除になる場合:17,300円
- 両方が免除になる場合(免除資格の確認のみ):5,900円
合格するための勉強のポイント
試験のしくみをふまえると、勉強の進め方には次のようなポイントがあります。
- 出題の多い「言語と教育」「言語」から固める
- 出題の少ない3区分も、6割を下回らないようひと通り押さえる
- 聴解は、音声を聞く練習を早めに始める
- 文部科学省のサンプル問題で、問題の形式に慣れておく
文部科学省のサイトでは、試行試験で出題された問題の一部が、正解とあわせてサンプル問題として公開されています。
聴解の音声も聞けるので、勉強を始める前に一度目を通しておくと、何を勉強すればよいかのイメージがつかみやすくなります。
具体的な勉強の進め方と、6か月・直前1か月のスケジュール例は、日本語教員試験の勉強法 の記事でまとめています。
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まとめ

- 試験は基礎試験(100問)と応用試験(読解60問・聴解50問)の2つ
- 基礎試験は5区分それぞれ6割程度+総合8割程度で合格
- 出題は「言語と教育」「言語」で全体の6〜7割
- 応用試験は、授業の場面を想定した実践的な問題。聴解は音声で答える
- まずは文部科学省のサンプル問題で形式を確認
日本語教員試験は、日本語を話す力ではなく、日本語を教えるための知識と考える力を問う試験です。
出題の多い区分から固めつつ、苦手な区分をつくらないことが合格への近道になります。
登録日本語教員になるまでの流れや費用は、登録日本語教員になるには?の記事もあわせてご覧ください。
※本記事の試験情報は、文部科学省の公表資料(令和8年度日本語教員試験実施要項、令和7年度日本語教員試験の出題内容及びサンプル問題)をもとに2026年10月時点でまとめています。最新の情報は、文部科学省の公式サイトでご確認ください。