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【50項目講座 第22回】教室・言語環境の設定|教室形態・机の配置・ティーチャートーク・ビジターセッションをやさしく解説

50項目講座 第22回 教室・言語環境の設定
教室の机の並べ方なんて、授業の中身に比べたらどうでもよさそうだけど、試験に出るの?
HARU
HARU
まずは結論

この項目では、一斉・ペア・グループなどの教室形態と机の配置の効果、そして教室の中と外の言語環境を、学習にどう生かすかを押さえるのが基本。

50項目講座の第22回は、「言語と教育」の区分から「教室・言語環境の設定」です。

同じ内容を教えても、机の並べ方や活動の形、教室の外での日本語とのふれ方によって、学習の効果は大きく変わります。

この回では、学習しやすい環境をどう整えるかを整理します。

LULU
LULU
机を少し動かすだけで、学習者どうしの会話が急に増えることがあります。環境は「見えない教材」だと考えると、工夫のしがいがあります。

動画で学ぶ「教室・言語環境の設定」(約3分)

この回の要点を、LULUとHARUの会話で約3分の動画にまとめました。

通勤中や家事の合間に、耳で聞くだけでも復習できます。

最後の確認クイズ2問で、覚えたかどうかを試してみてください。

この項目で求められること

文部科学省のコアカリキュラムでは、この項目の到達目標を「効果的な日本語学習環境を設定できるようになるために、教室形態及び学習環境の教育上の影響・効果について理解している」としています。

ポイントは、教室の形と学習をとりまく環境が、学習にどんな影響を与えるかを知り、目的に合わせて選べるようになることです。

ポイント① 教室形態のちがい

授業の中で、学習者をどんな形で学ばせるかを教室形態といいます。

教室形態 向いていること 気をつけること
一斉授業 多くの学習者に、同じ内容を効率よく伝える(新しい文型の導入など) 学習者が聞くだけになりやすく、一人ひとりが話す時間が少ない
ペアワーク 短い会話練習や、答えの確認。全員が同時に話せる 相手との相性やレベル差に配慮する
グループワーク 話し合いや協働作業。意見をまとめる力が育つ 話す人がかたよりやすいので、役割を決める
個別学習 自分のペースで練習・復習する。レベル差が大きいときに役立つ やりとりの機会が少ないので、ほかの形態と組み合わせる

1回の授業の中でも、導入は一斉授業、練習はペア、応用はグループ、というように形態を切りかえるのが一般的です。

ずっと同じ形じゃなくて、授業の段階ごとに切りかえるんだね。
HARU
HARU

ポイント② 机の配置と効果

教室形態に合わせて、机の配置も変えると効果が上がります。

配置 特徴 向いている活動
スクール形式 全員が前(黒板・教師)を向いて並ぶ 一斉授業、テスト
コの字型(U字型) 机をコの字に並べ、学習者どうしの顔が見える。教師も全員と目を合わせやすい クラス全体での会話・発表
島型 数人ずつ机を寄せてグループを作る グループワーク、協働学習

教室の広さや人数によって、できる配置は限られます。

それでも、ペアの組み方を変える、立って話す活動を入れるなど、小さな工夫で学習者どうしのやりとりは増やせます。

LULU
LULU
「この活動では、誰と誰が話すのか」を先に決めてから机を並べると、配置に迷いません。顔が見える配置は、話す活動に強いです。

ポイント③ 教室の中と外の言語環境

教室の中の言語環境

教室の中で学習者がふれる日本語も、大切な学習環境です。

教師が学習者のレベルに合わせて、ゆっくり、わかりやすいことばで話す話し方をティーチャートークといいます。

わかりやすさは大切ですが、いつも簡単なことばだけでは、自然な日本語にふれる機会が少なくなります。

学習者の力に合わせて、少しずつ自然な話し方に近づけていくことが大切です。

掲示物や絵カード、実物(レアリア)なども、日本語にふれる機会を増やす環境づくりの一つです。

教室の外とつなぐ

教室の外で日本語を使う機会が少ない学習者には、教室の中に外の日本語を持ちこむ工夫が役立ちます。

  • ビジターセッション:日本語を話す人を教室に招き、学習者と交流する
  • 教室の外での活動:買い物や地域の行事など、実際の場面で日本語を使う
  • オンライン交流:海外の学習者と日本の人をビデオ通話でつなぐ

第15回で学んだJSLとJFLのちがいによって、教室の外の環境は大きく変わります。

学習者がどんな環境で学んでいるかを知ったうえで、教室の役割を考えることが大切です。

LULU
LULU
間違えても大丈夫だと感じられる雰囲気も、立派な学習環境です。第19回の不安の話ともつながりますね。

学習者はここでつまずく

教室では話せるのに、外では日本語を使う機会がない
海外で学ぶ学習者は、教室の中では練習できても、教室を出ると日本語を使う場面がほとんどありません。
先生のゆっくりした日本語には慣れていても、自然な速さの日本語を聞くと、急にわからなくなることもあります。
教室の中だけで、日本語にふれる環境が完結してしまっているためです。
教えるときのポイント:ビジターセッションやオンライン交流で、教室の外の日本語にふれる機会を作りましょう。自然な速さの会話を聞く練習を、少しずつ授業に取り入れることも大切です。

確認クイズ(5問)

答えを考えてから、「答えを見る」を押してください。

Q1. 学習者どうしの顔が見え、教師も全員と目を合わせやすい机の配置はどれ?

① スクール形式 ② コの字型(U字型) ③ 島型 ④ 個別ブース

答えを見る

正解:② コの字型(U字型)
クラス全体での会話や発表に向いています。

Q2. 数人ずつ机を寄せて、グループワークや協働学習をしやすくする配置はどれ?

① スクール形式 ② コの字型 ③ 島型 ④ 一列型

答えを見る

正解:③ 島型
グループでの話し合いや作業に向いています。

Q3. 日本語を話す人を教室に招いて、学習者と交流させる活動を何という?

① ロールプレイ ② ビジターセッション ③ パターン・プラクティス ④ ディクテーション

答えを見る

正解:② ビジターセッション
教室の外の日本語にふれる機会を作る工夫です。

Q4. 教師が学習者のレベルに合わせて、ゆっくり、わかりやすいことばで話す話し方を何という?

① ティーチャートーク ② フォリナートーク ③ スモールトーク ④ ジャーゴン

答えを見る

正解:① ティーチャートーク
学習者の力に合わせて、少しずつ自然な話し方に近づけていくことが大切です。

Q5. 一斉授業の長所として、最も適切なものはどれ?

① 学習者一人ひとりが話す時間を多くとれる
② 多くの学習者に、同じ内容を効率よく伝えられる
③ 学習者が自分のペースで学べる
④ 学習者どうしの話し合いが自然に増える

答えを見る

正解:② 多くの学習者に、同じ内容を効率よく伝えられる
新しい文型の導入などに向いていますが、話す練習はペアやグループと組み合わせます。

まとめ

50項目講座を案内するLULU
第22回「教室・言語環境の設定」のポイント
  • 教室形態:一斉授業・ペアワーク・グループワーク・個別学習を授業の段階で切りかえる
  • 机の配置:スクール形式は一斉授業、コの字型は全体の会話、島型はグループワーク
  • レベルに合わせた話し方=ティーチャートーク。少しずつ自然な日本語へ
  • 教室の外とつなぐ:ビジターセッション、教室外活動、オンライン交流
  • 間違えても大丈夫な雰囲気も、大切な学習環境

第22回では、教室の形や机の配置、教室の中と外の言語環境が、学習にどう影響するかを学びました。

次回の第23回は、「コースデザイン」です。

講座の全体は、50項目講座の目次から確認できます。

前回の第21回「日本語教育プログラムの理解と実践」とあわせて、授業をとりまく仕組みを整理しておきましょう。

LULU
LULU
机の配置や話し方は、明日の授業からすぐに変えられる工夫です。一つずつ積み上げていきましょう。

※到達目標は、文部科学省「登録日本語教員 実践研修・養成課程コアカリキュラム」の必須の教育内容から引用しています。教室形態・机の配置・言語環境は、日本語教育の教室活動についての一般的な解説にもとづいてまとめています。

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