「やめとけ」といわれる主な理由は、給料が低め・非常勤が多い・授業の外の仕事が多いこと。ただ、働き方を選べば長く続けられる仕事で、2024年に国家資格「登録日本語教員」ができて、仕事としての位置づけもはっきりしてきた。大事なのは、大変な点を知ったうえで、自分に合う働き方を選ぶこと。
日本語教師について調べていると、「やめとけ」「きつい」といったことばを目にして、不安になる方も多いと思います。
この記事では、そう言われる理由を数字や制度から整理し、それでも日本語教師が向いている人、長く続けるための働き方をまとめました。
「日本語教師はやめとけ」といわれる5つの理由
①給料が低めといわれる
日本語学校の常勤講師の年収は、民間の調査で300万円台前半から半ばが中心です。
非常勤講師のコマ給は1コマ(45分)2,000円前後が相場で、非常勤だけで生活を支えるのは簡単ではありません。
くわしい数字は、日本語教師の給料・年収でまとめています。
②常勤が少なく、非常勤やボランティアが多い
文部科学省の「日本語教育実態調査」(令和6年度)では、国内の日本語教師約5万人のうち、常勤は13.6%でした。
半数以上の53.1%はボランティアで、仕事として安定した立場の人はまだ多くありません。
③授業の外の仕事が多い
日本語教師の仕事は、教室で教える時間だけではありません。
- 授業の準備(教案づくり・教材づくり)
- 宿題やテストの採点
- 進学や就職の相談、出席の管理(常勤の場合)
非常勤の場合、こうした準備の時間がコマ給にふくまれないことが多く、時給に直すと低くなりがちです。
④学生の生活まで支えることがある
日本語学校の学生の多くは、日本に来て間もない留学生です。
日本語の授業だけでなく、アルバイトや住まい、在留資格の手続き、進路のことなど、生活の相談にのる場面もあります。
やりがいにもなりますが、気持ちの負担を感じる人もいます。
⑤制度が変わる時期で、先が見えにくい
2024年に国家資格「登録日本語教員」ができ、日本語教師の制度は大きく変わっている最中です。
すでに日本語教師として働いている人も、経過措置の期間内に資格を取る必要があるなど、制度に合わせた準備が求められています。
それでも日本語教師が選ばれる理由
国家資格になり、仕事としての位置づけがはっきりした
登録日本語教員は、文部科学省が認めた「認定日本語教育機関」で教えるために必要な資格です。
これまで民間の資格や講座の修了で判断されていた日本語教師の力が、国の基準で示されるようになりました。
日本語を学ぶ人が増えている
国内の日本語学習者は、令和6年度の調査で約29万4,000人と過去最多です。
外国人の住民や、働くために日本に来る人が増えていて、日本語教育の必要性はこれからも高まると考えられています。
年齢を問わず、長く続けられる
日本語教師は、40代・50代から目指す人も多い仕事です。
社会人としての経験や、人に教えた経験を生かせる場面も多くあります。
日本語教師に向いている人・向いていない人
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| ちがう文化や考え方に興味がある | 自分のやり方を変えたくない |
| 人が成長する姿を見るのがうれしい | すぐに目に見える成果がほしい |
| 準備や工夫をするのが苦にならない | 決められた時間だけ働きたい |
| ことばのしくみに興味がある | 日本語について深く考えるのが苦手 |
| 収入より、やりがいや働き方の自由を重視する | 高い収入を最優先にしたい |
すべてに当てはまる必要はありません。
ただ、右の列に多く当てはまる場合は、まずは副業やボランティアで試してみるのがおすすめです。
後悔しないための働き方
①副業やボランティアから始める
今の仕事を続けながら、地域の日本語教室のボランティアや、オンラインのレッスンで教えてみると、自分に合うかどうかを確かめられます。
いきなり仕事をやめずに試せるのは、大きな安心材料です。
②常勤をめざす
収入を安定させたいなら、常勤の講師をめざしましょう。
登録日本語教員の資格を持っていると、認定日本語教育機関の採用で有利になります。
③専門性や強みを持つ
ビジネス日本語、介護の日本語、子どもの日本語指導、日本語能力試験の対策など、得意な分野があると仕事の幅が広がります。
教えられる場が増えれば、学校・企業研修・オンラインを組み合わせて、収入を安定させることもできます。
④海外で教える
海外で日本語を教えるという選択肢もあります。
働き方や必要な準備は、海外で日本語教師になるには?でまとめています。
まとめ

- やめとけといわれる理由は、給料が低め・非常勤が多い・授業の外の仕事が多いこと
- 日本語教師約5万人のうち常勤は13.6%、ボランティアが53.1%
- 一方で、国家資格「登録日本語教員」ができ、学習者も約29万人と過去最多
- ちがう文化への興味や、準備・工夫を楽しめる人は向いている
- まずは副業やボランティアで試す、収入を安定させたいなら常勤や専門性を
「日本語教師はやめとけ」ということばには、たしかに理由があります。
でも、その理由を知ったうえで働き方を選べば、長く続けられる仕事でもあります。
日本語教師をめざす方は、登録日本語教員になるには?と、日本語教師の給料・年収もあわせてご覧ください。
※日本語教師と学習者の人数は文部科学省「令和6年度 日本語教育実態調査」、給料の数字は日本語教師キャリア「日本語教師の給与実態調査2026」と日本語教師ジョブ「日本語教師の給料調査2025年版」にもとづき、2026年10月時点でまとめています。