日本語学校の常勤(専任)講師の年収は300万円台前半〜半ばが中心、非常勤は1コマ(45分)2,000円前後が相場。日本語教師は常勤が約14%しかいないため、収入は働き方で大きく変わる。収入を上げるには常勤をめざす・教える場を組み合わせる・専門性を持つのが近道。
日本語教師に興味はあっても、「給料が安いと聞くけれど、本当のところはどうなのか」が気になる方は多いと思います。
この記事では、公的な調査と、日本語教師を対象にした調査の数字をもとに、日本語教師の給料と年収をまとめました。
雇用形態や地域による差、登録日本語教員の制度との関係、収入を上げる方法まで整理しています。
日本語教師の働き方の内訳
日本語教師の給料を考えるとき、まず知っておきたいのが、どんな立場で教えている人が多いかです。
文部科学省の「日本語教育実態調査」(令和6年度)では、国内の日本語教師は5万309人で、初めて5万人を超えました。
その内訳は、次のとおりです。
| 立場 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 常勤 | 6,847人 | 13.6% |
| 非常勤 | 約1万6,700人 | 約33% |
| ボランティア | 2万6,721人 | 53.1% |
※非常勤の人数は、総数から常勤とボランティアを引いた概算です。
日本語を教えている人の半数以上はボランティアで、給料をもらう立場の人の中でも、非常勤のほうが常勤より多いことがわかります。
「日本語教師は給料が安い」といわれる背景には、この働き方の内訳があります。
常勤と非常勤の給料
日本語教師の給料には、国の統計で職業ごとにまとまった数字がありません。
そこで、日本語教師を対象にした民間の調査を2つ紹介します。
常勤(専任)講師の年収
| 調査 | 常勤の年収 |
|---|---|
| 日本語教師キャリアの調査(2026年3〜4月・有効回答1,231人・国内の対面授業) | 平均345.5万円・中央値340万円 |
| 日本語教師ジョブの求人の集計(2025年9月まで・最低保証額) | 東京で約332万円(月給の平均は約24.6万円) |
どちらの調査でも、日本語学校の常勤講師の年収は300万円台前半から半ばが中心です。
国税庁の「民間給与実態統計調査」(令和7年分)では、1年を通じて働いた正社員の平均給与は559万円なので、それとくらべると低めといえます。
非常勤講師のコマ給
非常勤講師は、授業1コマごとに給料が決まるコマ給が一般的です。
| 調査 | 非常勤のコマ給 |
|---|---|
| 日本語教師キャリアの調査(45分換算) | 平均2,088円・中央値2,000円 |
| 日本語教師ジョブの求人の集計(東京) | 平均2,047円・中央値2,000円 |
非常勤のコマ給は、1コマ2,000円前後が相場です。
たとえば1日4コマ、週4日教えると、1か月で約64コマ、コマ給2,000円なら月約13万円になります。
ただし、授業の準備や採点、テストづくりの時間は、コマ給にふくまれないことが多い点に注意が必要です。
- 求人の「1コマ」は45分のことが多いが、50分や90分の学校もある
- 交通費や、授業準備の手当があるかどうかは学校によってちがう
- 学期の間の休みの期間は、授業がなく収入が減ることがある
求人を見るときは、1コマが何分か、準備の時間をどう扱うかまで確かめましょう。
地域・職場による差
地域による差
日本語教師キャリアの調査では、関東がもっとも高く、九州・沖縄や北海道・東北が低い傾向がありました。
| 地域 | 常勤の年収(平均) | 非常勤のコマ給(平均) |
|---|---|---|
| 関東 | 356.1万円 | 2,152円 |
| 関西 | 325.1万円 | 2,045円 |
| 中部 | 328.4万円 | 2,015円 |
| 北海道・東北 | 318.5万円 | 1,940円 |
| 中国・四国 | 315.0万円 | 1,965円 |
| 九州・沖縄 | 308.8万円 | 1,890円 |
職場による差
日本語を教える場所は、日本語学校だけではありません。
| 職場 | 給料の傾向 |
|---|---|
| 日本語学校 | もっとも求人が多い。上の調査の数字が目安 |
| 大学・専門学校 | 大学の専任教員は給与水準が高いが、修士号以上や研究実績が求められることが多い |
| 企業の研修 | 外国人社員や技能実習生・特定技能の人への研修。業務委託で、コマ単価が高めのこともある |
| オンライン・個人レッスン | 自分で単価を決められるが、生徒を集める力が必要 |
| 海外 | 国や学校によって大きくちがう。現地採用は日本より低くなることもある |
海外での働き方は、海外で日本語教師になるには?でくわしくまとめています。
登録日本語教員になると給料は上がる?
2024年4月に、日本語教師の国家資格「登録日本語教員」ができました。
文部科学省が認めた「認定日本語教育機関」で教えるには、この資格が必要になります。
ただし、資格を取ったら給料がいくら上がる、という決まりはありません。
給料を決めるのは、それぞれの学校や会社です。
- 認定日本語教育機関では、登録日本語教員でないと教えられない
- 資格を持つ人が求められるようになれば、採用で有利になる
- 給料がどこまで上がるかは、今後の学校の待遇しだいで、まだはっきりしない
資格の取り方や費用は、登録日本語教員になるには?でまとめています。
日本語教師が収入を上げる4つの方法
①常勤(専任)をめざす
非常勤だけで生活を支えるのは、なかなか大変です。
常勤になれば、毎月の給料が安定し、社会保険や賞与がある職場も多くなります。
主任や教務主任などの役職につくと、さらに給料が上がることもあります。
②教える場を組み合わせる
日本語学校の非常勤に、企業研修やオンラインのレッスンを組み合わせて、収入を増やしている人もいます。
学期の間の休みで授業が減る時期も、ほかの仕事でおぎなえます。
③専門性を持つ
ビジネス日本語、介護や看護の日本語、子どもの日本語指導、日本語能力試験の対策など、得意な分野があると、条件のよい仕事につながりやすくなります。
学習者の母語ができることも、強みになります。
④オンラインで自分の教室を持つ
オンラインのレッスンでは、自分で単価を決められます。
ただし、生徒を集める力や、続けてもらう工夫が必要で、はじめから大きな収入になるとは限りません。
まとめ

- 日本語教師は約5万人。常勤は13.6%、ボランティアが53.1%(令和6年度 日本語教育実態調査)
- 日本語学校の常勤講師は年収300万円台前半〜半ばが中心(民間の調査)
- 非常勤は1コマ(45分)2,000円前後。準備の時間はふくまれないことが多い
- 地域では関東が高め。大学・企業研修・オンラインなど、職場によっても差がある
- 登録日本語教員で給料が自動で上がるわけではないが、選べる職場が広がる
日本語教師の給料は、働き方や職場によって大きく変わります。
まずは常勤と非常勤の相場を知ったうえで、自分の生活に合った働き方を考えてみましょう。
日本語教師をめざす方は、登録日本語教員になるには?、日本語教員試験の通信講座・養成講座の比較もあわせてご覧ください。
「日本語教師はきつい」という声が気になる方は、日本語教師はやめとけ?で理由と働き方を整理しています。
※日本語教師の人数は文部科学省「令和6年度 日本語教育実態調査」(nippon.com の記事で確認)、正社員の平均給与は国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」、常勤年収とコマ給は日本語教師キャリア「日本語教師の給与実態調査2026」(2026年3〜4月・有効回答1,231人)と日本語教師ジョブ「日本語教師の給料調査2025年版」(2025年9月時点の求人)にもとづき、2026年10月時点でまとめています。民間の調査は、回答者や求人の条件によって数字が変わります。